ベートーベンピアノソナタテンペスト

「ぼくはもう何度も創造主をのろった。ぼくの一番大事な部分、聴覚がひどくおとろえているのだ。」

「耳は昼夜の区別無くざわざわいっている。ぼくは耳が聞こえないなどとはとても他人には言えない。だからここ2年ばかりはほとんどすべて交際を避けてきた。僕の敵は少なくないが、彼らがこの事情を知ったらなんというだろう。」

「ぼくは今は幾分楽しく生活している。この変化は愛らしい魅力に富んだ娘のためだ。彼女は僕を愛し、僕も彼女を愛している。……ぼくにはもっと健康になりたいという願いしかない。……ぼくは運命ののど元をしめつけてやりたい。どんなことがあっても負けるものか。」

ベートーベン31歳の日記。アツイ。アツくかなりゆがんだ性格が見て取れるが、そんなことはこの作品を前にすれば消え失せてしまう。天才故か。故に天才か。
ちょっとひっかかったので引用した。