図書館

で、本を4冊、CDを5枚。

中山康樹「超ジャズ入門」、この本の中山さんはいつもより真面目です。ここまで書いていいのかというほど物事を言い切ってるのが実に気持ちいい。結局ブルーノートとマイルスに行き着いてしまうところが中山さんぽい。コレクションはそのときそのときに常に聞く100枚のみにして、後は売っぱらってしまう、半年聞かないディスクは売る。聞きたいと思ったらまた買う。なのでコレクションの中身は流動してるが常に100という数字は一定。という考えは面白いと思いました。

後藤雅洋「ジャズ百番勝負」。後藤さんの本はあいかわらずすごく真面目。100曲について語られている。中山さんの考え方とかぶる部分がけっこうあったのが新鮮でした。ジャズの現状に危機を抱く点、バップからハードバップへ、そしてモードへ、フリーへ、フュージョンへ。そこで止まってしまっている点。後藤さんが経営するジャズ喫茶いーぐるがご存じの通り、デトコペ菊地成孔の動きに注目しているのはなるほどこういうところからなのかと納得。

もう2冊はオーディオの本。その1冊が素晴らしかった。録音とジャズの関係に目からうろこ。録音側の視点になんて立ったことないのですから。録音技師とミュージシャン、プロデューサーの連携。トータルな「商品」づくりをこの頃とっくにやっていたという素晴らしいお話。
ジャズのみならずクラシックの録音の話。ポップスでは「ウォールオブサウンド」とオーディオの関係など。ポール(マッカトニー)が録音のたびに「もっと低音を強調してくれ」と言っていたこと。ロックでは小野島大氏がネット上で公開しているオーディオ論がそのまんま載っていました。
昔なのに音がいい、んじゃなくて昔だから音がよいという史実。
当時のハードはラジオがメイン。そこで充分に音の広がりや奥行きを感じるように計算されていたことなど。


渡辺貞夫近年の作品の中でなんとなくジャケが気に入ったものを1枚かりてみた。悪くない。悪くないけど特に…ジャズのポスト・ポストモダン化なんて言葉がよぎる。ナルホド。

中曽根かほる。ボーカル。うわびっくりした!強烈なキャラクター(声)の持ち主。

マイルスデイビス「サムデイ〜」。買おう買おうと思いつつ、でもなあとためらっていた1枚。借りてきいて良かったら買おうと思っていた。ハンクモブレーとコルトレーンを一緒にきくと皆が「モブレーが可愛そう」と言いたくなるのも分かります。けどマイルスにハズレなしと中山氏が言うまでもなく素晴らしい。個人的には今まできいたどのマイルスより好きかもしれないです。気分によって変わるけど。

ウェスモンゴメリーフルハウス」。これ持ってるのだけど、どうも裏ジャケを見るとメンツや録音場所が違う。ぼくの持っていた盤はどうもブートレグらしくウェスとグリフィン以外はメンツがパリのミュージシャンだ。本家はアメリカで録音された。サイドメンはグリフィン、チェンバース、ジミーコブ、ウィントンケリーと最強の布陣。本家もブートレグもどちらも良いです。

ナット・キング・コール「恋こそはすべて」。これが今回借りた中で1番良かったかもしれない。このボーカルとストリングスは素晴らしいとしかいいようがないです。