マイナーな観点で、とか、アイデンティティの依拠としてジャズやクラシックについて書いたコトは無いデス。ただただ好きだから、です。

只、戦略も無かった訳では無く、結果として好きなこと(しかもマイナーな分野)を追求するというのは、いろんな意味でサバイヴしやすいと分かってやっているところがある。中谷明宏は嫌いな作家のひとりだ(というか読んでいたら恥ずかしい一人)。嫌いなら、恥ずかしいなら、何故そうなのかという理由だけで著書を50冊読んだ。そこで得られるものは、やっぱり少しはあるもんである。話は変わるが後藤雅洋氏もジャズについてあれこれ言うならまず100枚きいてから言え、と言っている。量が質に転換する瞬間というのが間違いなくあるのです。閑話休題。中谷氏の言葉でいくつか頭に残ったままのものがある。ひとつは、1つのジャンルについて10を知る人は、ことなるジャンルであれ同じく10の人と話すことができる。4か5しか知らないとは、それくらいしか話ができない。というもの。頭からそれを信じるわけではないけど、なるほどな、と思った。だったら何の取り柄も無い僕はいつか武器に転じるかもしれない上、大好きなのだから、ジャズを10にしようと思ったのだ。クラシックも大好きだけど、ジャズの理解の上で、という部分もあるのである。趣味がそのまま一つの道としてある高みにいけるかもしれないというのは面白いではないか。20代初期にありがちな、恐ろしく高い目標を軽々とかかげるようなコトもない。健康になり明日の糧を得、幸せな家庭を作りたい。1番の願いはそれでしかない。サラリーマンにはなりたくないと息巻いて、マルチ商法をやってしまうなんてのは、そんな幼い全知全能感からきている。若いときは自分が何にでもなれると思っていて当然。いろんなものにぶつかり、現実を知り、凡人たるコトのすごさをようやく知ってからがスタートだと思っている。

その心の糧に大好きなものについての智が10あったなら豊かな気持ちになれると思うのだ。

今ようやく1くらいだろうか。