彼女は村上春樹が嫌い。

きのう見つけたジャズと読書のページがなかなか素敵だったんだけど、そのひとつの理由はジャズ盤を紹介するとき、その盤が出てきた村上春樹の著書のシーンからそっと引用していることだった。それで驚いてしまった。こんなにジャズの話、してたっけか?!


中1か中2になる頃、部活から帰ってくると、TVで〜ランキングという番組がやっていたのを覚えている。そこの売れてる本ランキングでかなり長い間、1位に居座ったのが村上春樹ノルウェイの森」だ。きになった僕は早速読んでみたのだ。中高と何度くりかえし読んだだろうか。今になると何に惹かれたのか分からない。それからあさるように初期作品を読んでいった。

ジャズをわりあい知った今読むともっと違った見方ができるんだろうなあ、とは思う。それくらい、あちこちにジャズのフレーズが散見する。氏がジャズ喫茶やってたというのを思い出して納得。

しかし、村上春樹かぁ。当時印象に残ったのはやっぱりビートルズノルウェイジャン・ウッド=ラバー・ソウルのイメージしか残らなくて。なんだろう、思春期とかその頃の忘れてた事とかどばーーと思い出して、なんだかおかしくなってしまった。もう一回読み返してみようかな。

僕がビル・エバンスのワルツ・フォー・デビーを父のラックから取り出したのは実は村上春樹のせいだったのかもしれない…時期的に。今思うと。

僕と同世代の人は紹介するページを開いたとたんに懐かしくてどうしようもない雰囲気に包まれるかもしれないなあ。なんというか、ジャズとかビートルズとか、喫茶店とか、彼女とか、そういうのってずっと変わらないんだろうなあ、と。このページの作者さんは、4,50代だし、村上春樹もそのくらいでしょ。思春期の僕が共感したってことは普遍的な何かが少しはあったってことじゃないんだろうか。



僕らは文字どおり60年代の子供たち(シックスティーズ・キッズ)であった。人生の中のいちばん傷つきやすく、いちばん未熟で,それ故にいちばん重要な時期に、1960年代のタフでワイルドな空気をたっぷりと吸い込んで、そして当然のことながら、宿命的にそれに酔ってしまったのだ。ドアーズからビートルズからボブ・ディランまで、BGMもばっちりと揃っていた。

で、彼らの子供である僕らは、遅れてきた世代、なんだよなあ、やっぱり。

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