楽器とリスナーと

少しでも楽器をやったことがあると、自分にはそこまでの才能はないが、譜面さえあればそれらしく吹けるし、ジャズが理論ですべて分かるとか言い出すような人もいることを知って驚いた。アマゾンのレビューでもよく「ちょっと音をハズしてませんか?」なんて書いてある事がある。はたしてそれはホントウにハズしたのか。それとも表現としてのジャズトーンだったのか、それは吹いた本人にしか分からない。
ウチの妹も吹奏楽にいた故に音楽を楽しめ無いという。ジャズの音はすべからく汚れて聞こえるし、西洋音階に基づいた音楽は全部ドレミファソラシドと頭の中で変換してしまうんだと(なにより厳しすぎた当時の鬼練習を思い出してしまうんだそうな)。以来たしかに妹が音楽を好んできいているのを見たことがない。一緒にジャズをきかせてみても「今ミスった!」「今音をハズした!」と確かに楽しそうではない…。音楽の世界は深い…。こんな時リスナーはリスナーで良かったのかもしれないと思うのである。が、一体才能あるプロミュージシャンはどう思って過ごしているのだろう?彼らもはじめは1リスナーだったはずなのだ。