成熟した社会の音楽

ピロさんところよりjazz today ver04

うわ!めまいがする。モダンが死んでる事、そして蘇生させようとしている事。この記事を読んで体中を「もしかしたら50-60年代に似た熱狂を自分も(追体験ではなく)現代に感じられるかもしれない。」という喜びに満ちた興奮がかけぬけた。ピアノトリオやフォーマットだけ「アコースティックで4ビートの」甘いアルバムと過去の名盤の再発が現状のシーンに一石を投じてください。ジャズという音楽はタイヘンだ。きくほう(おれ)は楽だなあ。
とにかく楽しみなジャズアルバム。どんなものが提示されるのでしょうか。

 ロックの世界でも似たような事を体験した思い出が。例えば、レニークラヴィッツが大喜びで迎えられた時の状態が、ウィントン・マルサリスが出てきた時に似ている。レニーもウィントンも原点回帰として模倣したのは60年代のツェッペリンやハンコックだったはずなのです。スタイルとして「アコースティック」を取り戻したところまで似ています。そこに90年代風味をまぶして提示されたところまで似てる。でもこれは本来の意味でのぶち壊す「ロック」でもないし超越する「ジャズ」でもない。つまり行き止まりの状態がもうだいぶ長く続いてるんじゃないかというのが僕の推測です。いいものはすべて出尽くしてしまった。更にそのいい部分をサンプリングして作る手法さえもう過去のものになってしまった。遅れてきた世代ができる事ってなんなのでしょうね。
 
 どんなジャンルが好きにせよ、「何か面白い事が同時代体験として起こっているような予感」がしたからこそみな(みな?)モーニング娘。に注目したのだろうし、それはやっぱりそれまで何処かで退屈してたからに他ならないのです。モーニング娘。が衰退しているように見えながらこれだけ長く続いているのは、「破壊」と「創造」を繰り返す事で免れているから、とも言えるかもしれません。もし洗練を続け初期のメンバーのまま行けばとっくにシーンからいなくなっていたかもしれない。これはマイルスがエレクトリックへ行った時に、賛否両論の声があちこちで上がった状況にとても似ているのです。つんくも過去にやった事はすべて「シット!」だったら面白いのに。

 「破壊」と「創造」を繰り返し前進を続けたのがマイルスですが、彼が今もし生きていたらどんな音楽を作っただろうなあ。

 とまあ1音楽ファンの思いの丈。